足関節をスタビライザーとしてコントロール
まいど
トレーナーの山崎です。
スクワットを評価する時、体重に対しての1RMがどれだけあるかを知ることは、
その競技を行う上でのパフォーマンスベースになることは想像に難しくないでしょう。
スクワットがトレーニングの王様と言われる理由はこういったところにあるのだと思います。
スクワットを構成する要素としては
・股関節の屈曲/伸展力
・膝関節の屈曲/伸展力
・足関節のモビリティとスタビリティ
・体幹部のフェーズに合わせた安定力
など、細かくあげるとまだ出てきますが、主に下半身に重点が置かれています。
このスクワットがなぜ競技に活かされやすいかというと、
多くのスポーツが地面からの反力を得て動作につなげているという点が大きいです。
つまり、地に足をつけて行う競技であればスクワットはパフォーマンスアップに大いに貢献するということが言えます。
競技を行う上で地面が一定の硬さを持っているというのが前提ですが、
地に足をつけたスポーツでは地面に力を加えてその跳ね返ってきた力で身体を移動させたり、腕の振りにつなげたりしています。
力は伝達するので、下肢からの力がうまく伝わらなければ身体をうまく移動させることができなかったりします。
ではその力の伝達はどこでロスしてしまうのでしょうか。
伝達で思い出すのは糸電話です。
糸電話は量端の糸をピンと張ることによって音の振動が糸に伝わり、その振動が伝わった紙コップの底を振動させ空気を振動させています。
これは振動というエネルギーがロスなく伝わったことを意味します。
しかし、この時糸が緩んでたるんでしまっていてはどうでしょうか?
この振動は固定点をなくしてしまい上手く伝えることができません。
このように、身体動作もどこかに緩みがあると力が伝わりにくくなってしまいます。
そういった意味で、スクワットは全身をトレーニングするので、エネルギーの伝達を達成するための身体の剛性も同時にトレーニングできる種目でしょう。
この時、特に地面からエネルギーロスを起こしやすい箇所としては足部ではないでしょうか。
スクワット時に足部が安定していれば、足関節よりも大きな力が出せる股関節などでパワーを発揮することができますが、
足関節が緩んでしまっていれば、エネルギー伝達の固定点を失ってしまい、上手く地面反力を受け取ることができません。
これは筋力がないことよりも致命的だと言えます。
これは投げ釣りを行う時、おもりを遠くに飛ばしたい時に力いっぱい投げても、ロット(竿)の部分が折れてしまっていては力が伝わらず、遠くに投げることは難しいでしょう。
なので、まずは足関節を固定させる力が必要になります。
これはカーフレイズなどで下腿三頭筋をトレーニングすることでも固定力は上がります。
また、ここの影響を回避するために、踵を少し高くしてスクワット動作を行うことも方法ですが競技に活かすのであれば高くしないほうがいいです。
このように足関節をスタビライザーとして使えるようになれば、スクワット動作は競技により行かせることができるでしょう。