運動学習
まいど
トレーナーの山崎です。
身体を深く勉強していくと、人の発達にたどり着きました。
発達とは、ヒトが受精してから誕生し幼児期を経て成長していく中で様々な能力を身につけていく過程を言います。
今までの認識では、生まれてからのこと認識していましたが、
どうやら受精してから母親の胎内にいる時から発達が始まっています。
生物学的に考えれば当たり前なのですが、
運動学でいうとどうしても生まれてからがフューチャーされやすいですが、
運動能力の何かしらの問題が発達過程にあるとすると、
それは母親の胎内から始まっているということです。
私も母親がお腹の中にいる頃によくリチャードクレーダーマンを聞かせていたそうです。
その割にピアノは上達しませんでした。笑
しかし、音楽を聴くことはめちゃくちゃ好きです。
この胎児からの環境や生まれてからの環境など運動機能が発達し成熟していく過程をしっかり踏めていることが大事なのです。
そして発達は自然に起こるようにできているということも重要です。
生まれて間もない赤ちゃんは自分の意志ではなく、元々備わっている反射を使います。
反射は自分の身を守るために備わった機能です。これを原始反射と言います。
原始反射は無意識に起こりますが、赤ちゃんの発育が進んでくると自然に消滅します。
それは今まで反射的に起こしていた運動が、意識的に起こせるようになってくると反射は消失します。
この反射がなくなることを統合と言います。
今まで無意識に行っていてものが、繰り返すことで意識に登り意識的に使えるようになった。なので反射がいらなくなり統合される。
なので、人間はあらかじめ用意されたプログラム(反射)を使い切ることで、意識に上るようになります。
意識に登ればコントロールすることができてくるので上達していきます。
しかし、この反射が統合されずに残るとどうなるか、
所謂、発達障害です。
ただ、学術的に発達障害というわけではなく、程度の差はあれ、何かしらの生きづらい原因になっている可能性があります。
本来であれば原始反射が統合されるように、原始反射を使い切る経験をしなければならないのに、原始反射が多少なりと残っていることで運動のやりずらさ、身体や性格のくせにつながっていることがあるかもしれません。
では解決にはどのようにすればいいのか。
それは原始反射が統合されるように、原始反射を繰り返し行うということです。
反射は自分ではコントロールできません。
しかし、意識に登りだすと、徐々にコントロールできてきます。
完全にコントロールができると原始反射は統合されます。
なので人間の運動学習は無意識な行動を繰り返しおこなっているうちに意識に登り
コントロールできるようになっていくのが本来です。
しかし大人の運動学習の場合は意識することからから先に入ります。
これは育成年代に運動指導するときにかなり気をつけなければならないことで、
大人の感覚で、教えるときに意識をさせて行わせることはかなり危険だと思います。
子供は無意識から入ります。
ネイマールは足首を動かすときにアマチュアやプロ2部レベルの選手と比べほとんど意識(脳)を使っていないようです。
ネイマールは外れ値だとしても、ブラジル人のテクニックがうまいのは遊ぶようにボールコントロールする=無意識で行うところにあるのだと思います。
なので、原始反射じゃないにしても運動学習、特に上達を目指すのであれば意識のアウトプット形式で運動を行うのではなく、反射的に引き出された動きが意識に上るようにトレーニングしていくことが大事なのではないでしょうか。
しかし、反射的に動きを引き出すのは難しいですし、同じような環境では大脳新皮質を使い予測をしてしまい良い反射は生まれない気がします。
サーフィンのような環境は最高だと思います。
なぜなら、二度と同じ波は来ないからです。
ということは毎回初めての感覚です。
似た波は来るかもしれませんが、波に乗りコントロールするのは反射であり、その反射を探求することが運動学習だと思います。
どのような競技も基礎のようなスキル練習がありますが、
そのような練習が悪いとも思いませんが、ガチガチに固めてしまうのは本末転倒だと思います。
リアクションを基本に行うことは大前提ですね。
無意識を繰り返し、意識してできるようになれば、また無意識に
理想は目的を持って真剣に遊びつくすことだと思います。
無意識に気づくことは確か禅の基本だったような。
思考の螺旋階段がまた深くなりそうです。